Япония: цивилизация, культура, язык 2022

ЯПОНИЯ: цивилизация, культура, язык 2022 532 8 年間の調査活動では 2008 年から 2010 年の前半は、仙台 市内 を 5 つの区ごとに手分けして調査した。初期の活動で は堰等の水利施設に付随して建てられて いる「水神碑」 や比較的目に付きやすい「不動尊」など を多く発見する ことができた。 「不動尊」は仏教(密教)の神仏であるが、滝などの 谷筋のきれいな水流のところに建立され、雨乞いの場に なった り、腹痛の時にその水を飲むと治るなどの言い伝 えがあることから、「水神」とみなされていたようであ る。このような解釈の背景には、不動明王が手にもつ剣 に「倶利伽羅龍王」という龍神を巻き付かせたり、自身 の背で燃え盛る炎に龍神が姿を現していたり、そのよう に描かれていることが多いことが影響していると考えら れる。つまり「龍神」と一心同体である。 また、現在も行われている密教修法・不動護摩行(本 尊・不動明王)の炎のなかに、この倶利伽羅龍王の姿が 現れるのは決して珍しいことではない。不動明王は密教 の中心仏・大日如来の教令輪身として、大日如来に帰依 した元外教の神であり、一番の強大な大日如来への帰依 者である。迷い苦しむ衆生を、その恐ろしい鬼神のよう な姿と武器のような持ち物により、なにがあろうとも仏 道救済へ引っ張って連れていくという、少々乱暴でなら ずものの「神」である。なかなかユニークな特徴をもつ 存在である。 2011 年 3 月の東日本大震災の津波により、宮城県沿岸部 の住宅・ 農地・施設は大きな被害を受けかつての姿は失 われてまった。 神社や石碑も例外ではなく、これらは古 より人々が言い 伝えてきた地域の文化や歴史を後世に伝 える貴重なシンボルでもあったので残念な限りである。

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