Япония: цивилизация, культура, язык 2024
ЯПОНИЯ: цивилизация, культура, язык 2024 208 「俺たちはどんな世界でも、適応して生きていく。 俺たちはアイヌですから」(中略) 「アイヌって言葉は、人って意味なんですよ」 強いも弱いも、優れるも劣るもない。生まれたか ら、生きていくのだ。すべてを引き受け、あるい は補い合って。生まれたのだから、生きていいは ずだ 14 。 これからも、同族たちにはさまざまな困難がある だろう。同化の圧力、異化の阻害、蔑視、憐憫、 薄れる記憶。 もし祈りの言葉が忘れられても、言葉を奪われても、 自分が誰かということさえ知っていれば、そこに人 アイヌ は生きている。それが節理であってほしいと願った。 つまり、「熱源」とはある民族特有のものではなく、ま た、虐げられた者たちに生まれるものでもなく、人とし て生まれたならばどの生命にも認められ、人に宿るエネ ルギーとされる。そのエネルギーは人として生まれたと ころに生ずるがゆえに平等である。それがたとえ迫害さ れたとしても、人として生まれた以上、生きる、という 原点は揺るがないし、そこに優劣の差はない。このよう な川越宗一の主張が読み取れる。 そして、その主張は帝国主義のぶつかり合いや民族間 の摩擦が生み出す戦争の否定にも汎用される。次は終章 でイベカラがロシア人女性兵士のクルニコワに語る言葉。 「戦争も何もかも、生きてる人間がはじめたんだ。 生きてる人間が気張らなきゃ、おわんないだ。あ たしもあんたも、まだ生きている。なら、できること 14 『熱源』 p.375.
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