Япония: цивилизация, культура, язык 2024

ЯПОНИЯ: цивилизация, культура, язык 2024 48 このことから、森田が話し手の判断や感覚(視覚)の重 要性を説いていることがわかる。 名詞を基準に共起する次元形容詞を認知意味論的アプ ローチで調査した劉笑倩の研究では、認知主体が言及対 象 31 を「1つのまとまったもの」として把握する場合は 「大きい」、「動作を行う所 / かかわる動作の結果の存在す る所」として把握する場合は「広い」が用いられる傾向 があると述べ、前述の国広、西尾、久島との共通性が見 られる。使い分けの要因について劉笑倩は、ラネカーの 視点の配置( viewing arrangement )の観点から図式化し てみせた。つまり、次元形容詞が指し示す対象を認知主 体がどのように捉えてどの次元形容詞を共起し選択する かは、認知主体の視点の配置( viewing arrangement )に よるというのである。これは森田と共通性がある。劉笑 倩は主体から見える対象の範囲を「場」と定義し、「大き い部屋」は「場」の外から「部屋」の容積・体積に注目 し1つのまとまったものとして把握する場合に用いられ、 「場」の中から「部屋」の面積・容積に注目し関わる動 作の結果の存在する所として把握する場合または「場」 の中から「部屋」の面積・容積に注目し動作を行う所と して把握する場合には「広い」が用いられるとし、長方 形 S (認知主体から見える対象の範囲「場」)とその中に ある長方形 O (対象物)と目のイラスト(立脚点)と線 (視線)で図式化している。この図式では、認知主体が 実際に対象の前にいて視線によって対象を捉えている (実線で「実際的把握」)のか、知識や経験などで空間的 量を把握している(点線で「概念的把握」)のかも示され 31 劉笑倩は観察対象・言語主体という語を用いているが本稿では言及 対象・認知主体に統一した。

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