Япония: цивилизация, культура, язык 2024

ЯПОНИЯ: цивилизация, культура, язык 2024 50 において母語による対応語を通して目標言語を理解する 方略には限界があるに違いない。 教師は「私の部屋」という作文課題を与える場合は事 前に、現代日本語の「大きい」「広い」の基本義(プロト タイプ的意味)を学習者と共に確認することが重要であ り、作文を書き始める際の視点の配置を図式化し明確に する必要がある。形容詞「大きい」の語基を接頭辞とし て形成された複合名詞「大部屋」も большая комната と 訳すことができるが、「大部屋」の場合は「名前の売れて いない俳優が共同で使う楽屋部屋」「病院で、数人が一緒 に入院する部屋」 33 という意味で用いられることに留意し、 複合名詞の扱いについては今後の調査の課題としたい。 (3) 「?大きい作文」 → (3’) 「長い作文」 次に、日本語母語話者の感覚では「長い」を用いた方 が自然であると思われるロシア人学生の不自然な共起表 現「大きい作文」について見てみたい。 上記のように「大きい」は、言及対象である客体の外 から容積や体積を視覚的に捉え1つのまとまった物とし て認知主体によって把握された物の属性を表す。物を1 つのまとまった物として視覚で捉えるためには、物を際 立たせる背景、物が存在する空間が周りになくてはなら ない。「大きい作文」と学生が口頭や筆記で産出する場合、 「作文」を「提出課題として紙やワードファイル上に文 字で表わす文章のまとまり」であると捉えていると仮定 すると、「作文」は文字列の集まりとそれを際立たせる周 りの空間を視覚で捉えることができる。つまり、日本語 母語話者も「大きい作文」をある程度イメージできるし、 「長い作文」のことを言っているのだと想像もつく。し かし、日本語で「作文」の属性を判断する場合には、作 33 『類語大辞典』柴田武ほか編 . 東京 : 講談社 , 2002. P.401.

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